皆さま、こんにちは。山田いずみです。
暦の上では「小寒」を迎えました。立春までの約一ヶ月間は「寒の内」と呼ばれ、一年で最も寒さが厳しくなる時期です。東京では時折、冬の陽だまりのような暖かさに包まれる日もありますが、空気の乾燥は進み、私たちの体は知らず知らずのうちに内側に熱を溜めたり、巡りが滞ったりしやすくなっています。
春の七草と、目覚めゆく生命力
七十二候では、芹(せり)がすくすく育つ頃を指す「芹乃栄(せりすなわちさかう)」に入ります。
1月7日の「人日の節句」にいただく七草がゆ。 芹(せり)、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ)、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)。 これら春の七草は、まだ雪が残るような極寒の時期にいち早く芽吹く、力強い生命力の象徴です。お正月料理で少し重たくなった胃腸を休めるだけでなく、不足しがちな青菜の生命力を取り入れることで、私たちの心身を内側から清めてくれます。
囃子言葉に込められた、祈りの形
七草がゆの準備には、古くから伝わる独特の作法があります。 前日の夜から当日の朝にかけて、「七草なずな、唐土(とうど)の鳥が、日本の土地に渡らぬ先に……」と囃しながら、包丁で七草を細かく叩くのです。
この「鳥」とは、農作物を荒らす鳥であると同時に、外から病を運んでくる災いの象徴でもありました。叩くという所作を通じて、不浄なものを払い、無病息災を願う。単なる調理を超えた、神聖な祈りの儀式がそこにはあります。
消化力(アグニ)を整えるということ
アーユルヴェーダにおいて、健康の要は「アグニ(消化力)」にあります。 年末年始の華やかな宴のあとに、温かく消化に優しいお粥をいただくことは、自身の内なる火を整え、代謝をスムーズにするための、極めて合理的なリトゥチャルヤ(季節の養生法)です。
「まずは願いありき」
健康でありたいという願いは、自分自身を大切に扱おうとする意志でもあります。 丁寧に叩いた七草の香りを楽しみながら、今年一年を健やかに駆け抜けるための英気を養う。そんな優しく、そして力強い一年のスタートを切りたいものですね。
皆さまの新しい一年が、七草の生命力のように、清らかで勢いのあるものとなりますように。

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「自らの存在価値を再定義し、人生をより高めていく一助となりますように」

