今日は、インド哲学で教えている「与える法則」について書きます。
わたしたち人間は、酸素を取り込み、二酸化炭素を放出しています。植物は、逆に、二酸化炭素を取り込み、光合成をして酸素を放出しています。身体の中も同様です。細胞は酸素を取り込み、エネルギーと二酸化炭素を生成しています。与えることが受け取ることを引き起こし、受け取ることが与えることを引き起こします。与えるという流れを維持することでのみ、受け取ることができます。
言い換えると、生命とはすべての要素や力が、調和的に相互作用している状態をいいます。この「調和的に」というのが大切です。これを与えることと受け取ることの調和の法則と言えるでしょう。
そして、人と人との係わりも同じです。豊かな人生を送っている人は、与えて、受け取り続ける、そんな人と人の相互作用が活発な人生を送っているように思えます。エネルギーを自分に向け続けるには、エネルギーを循環させ続けなければなりません。
あなたは与えれば与えるほど、あなたは受け取ることでしょう。
・もしあなたが喜びを望んでいるのなら、他の人に喜びを与えることです。
・自分の望むものを得るもっとも簡単な方法は、他の人が望むものを与えることです。
物である必要はなく、思いやりや愛情、感謝はもっとも高価な贈り物です。誰かと会うたびに、その人に幸せや喜びがもたらされることを願うようにします。いつでも何かを与えるようにしましょう。
あなたが与えている限り、あなたは受け取ります。そして受け取るにつれて、あなたの与える能力もさらに高まります。
与えることと受け取ることの調和の法則が働いているからです。今日1日、いただける贈り物はすべて喜んで受け取って、自分と自分が係わる人の人生のなかに、富や豊かさをめぐらせるプロセスを開始しましょう。
仏教では、物施(物を与えること)、法施(教えを伝えること)、顔施(笑顔で人と接すること)といいます。
さて、今までの自分の一生、あるいは今日1日で、いただいた物や事のリストを作ってみましょう。与えたことのリストを作りましょう。与えたものといただいたものとどちらが多いでしょうか。命をいただいたこと、その命を両親はじめ色々な人々の愛情で大切にはぐくまれて、今のあなたが存在します。そう、ほとんどの方は、いただいたものの方が多いはずです。