究極の人生の目的とは?~ヒント#20

2020.10.04

日本人の平均寿命は84才。そして、人生100年時代とも言われています。その長い時間を生きるにあたって、その目的が分かれば、一日一日の生活にはりが生まれます。今日はアーユルヴェーダやヨーガで教えている、人生の目的について、何かそのヒントになるのではないかと思いますのでお話したいと思います。

人生の目的は、サンスクリット語でプルシャアルタ(人・目的)と言い、人が生きる上で追い求める目的を4段階に分けて説明しています。
それは、
①アルタ(安全)
②カーマ(喜び)
③ダルマ(善行)
④モークシャ(自由)


プルシャアルタ(人生の目的)

アルタ(安全)

アルタとは「富」という意味ですが、財産というよりも、私たちが「安心で安全で」いられるために必要とするものです。精神的そして、肉体的な痛みから逃れ、安全に導いてくれるものです。それは、お金、保険、家などです。

カーマ(喜び)

カーマとは「情熱、愛、欲望」という意味ですが、具体的には、私たちの五感を喜ばせて、毎日を楽しく幸せにしてくれるものです。美味しい食事や旅行などです。アルタが自分の望まないものから逃れたいという欲求であるのに対して、カーマは自分を喜ばせてくれる何かを求める欲求です。

ダルマ(善行)

ダルマとは、善い行いによって得られる徳という意味です。ダルマには規律、道徳的責任などの意味もありますが、自分の利益を顧みない、人のために力を尽くす仕事のことです。この行為によって積まれた徳は、アルタとカーマを手に入れる助けにもなります。

しかし、アルタ(富)、カーマ(喜び)、ダルマ(善行)は、これを求めても限界もあります。
私たちは楽しみや幸せは永遠には続きません。痛みや苦しみから完全に自由になるのも不可能です。幸せを得るために、人やお金など何か自分以外のものに頼らなくてはいけないですし、その頼らなければいけない物自体が変わりやすいものなので、完全に手に入れることができず、限界があるということです。

究極の人生の目的

この限界があることで、人は生きる目的の4つ目、モークシャを目指していくことになります。

モークシャ(自由)

モークシャとは、「本当の私とは何かを追求する」し、「本当の私は完全に自由な存在」であると悟ることです。
本当の自分を知ることで、不安や恐れ、無知と束縛から自由を手に入れることができるのです。それが魂の成長なのです。人びとが苦しみや悲しみから解放されず、完全に満たされることがないのは自分自身を間違って理解してしまっていることが原因だと教えています。苦しみや迷いを取り除き、完全に満たされるためには「自分とは何か」を正しく理解することが唯一の解決方法だと教えています。

体験を通して、自分を知る

「行為をしなさい」、「自分のやるべきことを好き嫌いややりたいかどうかではなく、ただ行うこと」と説いています。つまり、人は「体験」を通してのみ、自分を知ることができるのです。

完全に自由な存在に到達するために、人は人生を通して、毎日さまざまな体験をします。そのためには心とからだが健康であることが基盤になります。アーユルヴェーダが長寿を全うするための医学であるのは、この人生の目的を手に入れるための手段だと言えます。

「自分とは何か」を正しく理解するために、勇気をもって、目の前にあることに対して、行動をおこしてください。

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