運動不足は老化をはやめる~ヒント #17

2020.09.07

皆さんはダイエットや楽しみのために運動を続ける方が多いと思いますが、そもそも、運動は、私たちの身体と精神の健康を維持するのにとても大切です。


運動で健康を守る

私たちは、昔にくらべると家庭も職場も自動化が進み、絶対的に運動量が減少しています。運動量が減るということは、エネルギー消費量が減りますので、体が必要とする酸素量も減少することになります。酸素必要量が減るとそれにあわせて、循環血液量が減ることになり、全身の筋肉、それは、運動するための筋肉だけでなく、臓器に供給される血液量も減ることになります。

このように、運動量が減ると身体全体の代謝量が減少し、身体が弱くなり老化が進んでいきます。
体力、免疫力、体温調整力、環境適応力が低下して、健康を保つことがむずかしくなっていきます。

最適な運動量の目安

1日のうちに適度な運動をする時間をつくりましょう。できれば早朝の空腹時が望ましいですが、都合がつく時間帯でかまいません。継続することが大切です。前夜の食事で得た栄養は、睡眠中には十分に活用されていません。運動することで無駄なく栄養を消化できます。

運動とは、無理して汗を流したり、筋肉を鍛えたりすることではありません。適度な運動量は、口で呼吸しはじめた、口が渇いてきた、発汗しはじめたところでやめるのが目安です。汗がひどく流れたり、息が切れたり、心臓の鼓動が激しくなったり、膝がぐらついてきたりしたら行き過ぎです。かえって体を傷つけることになるので、そこまで頑張らないようにしましょう。

各体質に適した運動の量

すべての運動はヴァータを増大します。それが適度であれば心身に自然でバランスのとれた効果が得られます。しかし、ヴァータを刺激し過ぎると、からだは不安定な状態となります。ヴァータ体質の人はとくに頑張り過ぎないようにする必要があります。

運動量を少なめに抑えれば、からだのバランスを損なうことはありません。適度な運動量は、運動を効率的にし、運動後のからだの修復がずっとラクになります。

ヴァータ体質は運動量を少なめ、ピッタ体質は中くらい、カパ体質はやや多めにするとよいでしょう。

各体質に適した運動の質

各体質に適した運動として、つぎのようなものがあげられます。
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ヴァータ体質

一気に体力を使う運動や刺激的な運動を好みますが、安定してペースでできて、精神が落ち着くような運動を選ぶといいでしょう。
ヨーガ、ウォーキング、サイクリング、ハイキング、ダンス、太極拳などがおすすめ。

ピッタ体質

競技で勝つことで自己満足を得ることを好みますが、精神的にも肉体的にも調和をもたらし、暑さを発散させるような運動を選ぶといいでしょう。
ヨーガ、ウォーキング、ジョギング、スキー、水泳、ハイキングなどがおすすめ。

カパ体質

運動が苦手なタイプが多いです。しっかり体を動かす少し激しい運動を続けるとよいでしょう。
ヨーガ、ランニング、エアロビクス、テニス、サッカーなどがおすすめ。

ウォーキングはどの体質の人にもむく

ヴァータ、ピッタ、カパのどの体質の人にも、ウォーキングは向いています。
ヴァータ体質の人であれば、歩くことで心が静まるのを感じます。ピッタ体質の人は、ゆったりしたペースを取り戻せます。カパ体質の人は、歩くことが刺激となってからだが軽快になります。勝ち負けを競う運動に夢中になると、無理していることを忘れがちとなります。負けない力があることを示そうとして頑張ったりすることは、からだを不必要に痛めつけていることになるのです。

運動は、身体だけでなく、心の軽快さ、仕事などの活動にのぞむ力、忍耐力など、心や精神の健康にも効果があります。今年は外出自粛が続き、運動不足になりがちな方が多いと思います。ご自身にあった運動をはじめてみてはいかがでしょうか。

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