日本人とアーユルヴェーダ

Ayurveda
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梅の蕾とうぐいす

2022.02.08

アーユルヴェーダには、リトゥチャルヤとよばれる、 季節にあわせた食事や日常生活のおくり方などの健康法があります。 10年前までの私は、真冬の暗さと寒さでうつっぽくなり、 真夏のうだるような暑さで頭が痛くなり何もする気力がなくなる。。 位しか季節を感じるようなことはありませんでした。

アーユルヴェーダを学びはじめて、季節にあわせた生き方をすすめているので、 まずは何か楽しみながら、季節を意識できることはないかなと考えて、 20代の頃、母にいわれて数年だけかよった茶道のお稽古を始めました。

茶の湯は、茶室のしつらいから道具、お菓子にいたるまで、 亭主が客をもてなすために、心を尽くしてを準備します。 特に、床の間の掛け軸は、もっとも敬うべきもので、亭主のお客への思いやその日の趣向を表現します。

 こちらは、表千家のお家元の初釜はじめ、正月に毎年かけられる、 禅の言葉です。 春入千林処々鶯 (はるいりて せんりん しょしょ うぐいす)

春の気配が林という林にみちて、いたる所で鶯が鳴いている、 春にはどこの林や野にも草木が芽吹き花が咲く、 転じて、目の前の森羅万象すべて平等に、仏の世界が行き渡り、 人という人みな仏性のない人はいない、と意味です。

日本語は漢字を見るだけで、その景色が目に浮かび、 万物の年のはじまりを感じることができます。     (こちらは、先生の茶室の掛け軸)

人は仕事や人間関係の悩みからくるストレスで頭がいっぱいになって、季節のうつろいに気づく余裕などないことが多いかと思います。茶の湯はそんな日常からはなれて、季節を感じながら、主客一体で一杯のお茶を楽しむことができる平和を味わうものです。 人間は意識して、5感を使わなければ、自然の一瞬一瞬の変化に気づき、その美しさを愛で、感謝することなどできません。 今、寒さは本番ですが、どうか顔をあげて、そろそろほころび始める梅や桃のつぼみを楽しんでくださいね。

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