皆さま、こんにちは。山田いずみです。
私は日々の整えのひとつとして、近茶流江戸懐石の柳原教室に通っています。先日の実習では、82歳の男性とご一緒する機会がありました。
奥さまを亡くされてから16年、ご自身で料理を楽しんでいらっしゃるというその方は、「ここには、幸せを食べに来ているんだよね」と、穏やかな笑顔でおっしゃいました。
「幸せ」はどこか遠くに求めるものではなく、すでに足元にある幸せに気づき、それを十分に味わうこと。その言葉は、アーユルヴェーダが教える「内なる調和」の在り方そのもののようで、私の心に深く響きました。
江戸の粋を、五感で味わう
この日の主役は、初鰹でした。
「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」
山口素堂の句で知られるように、初鰹を尊ぶ習慣は江戸中期からの流行だといいます。当時は黒潮の流れの関係で、鎌倉沖で質の良い鰹が大量に獲れたのだそうです。
私自身、実際に鰹をさばく手つきはまだまだ修業中ですが、命をいただくその感触や、包丁を入れる瞬間の緊張感さえも、五感を研ぎ澄ませる大切な時間となりました。
盛り付けに宿る、日本庭園の美学
この日は、新キャベツ、若布、新蓮根、そして大葉とともに、少し高さを出した盛り込み方を教わりました。
日本料理の盛り付けのルーツは、日本庭園の形式にあるといいます。器という限られた宇宙の中に、自然の風景を再現する。その奥深さは、茶道の精神にも通じるものがあります。
高く盛り付けることで生まれる「余白」や、食材が重なり合うことで生まれる「奥行き」。それは、ただ空腹を満たすための食事ではなく、自然の理(ことわり)を敬い、自らを整えるための「養生」としての食事であることを思い出させてくれます。
健やかに、美しく生きるということ
旬のものを、その時期に、心を込めていただく。 初鰹に含まれる豊かな栄養は、私たちの体だけでなく、丁寧な所作を通じて心をも満たしてくれます。
「幸せは、すでにここにある」
そんな風に思える心の余裕を持つことこそが、私たちが目指すウェルビーイングの原点なのかもしれません。
季節の移ろいを慈しみながら、明日への活力をいただく。 皆さまも今日の一食を、少しだけ丁寧に、心で味わってみませんか。
Official Links:
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- Education: 英国アーユルヴェーダカレッジ(総合プロコースのご案内)
「自らの存在価値を再定義し、人生をより高めていく一助となりますように」

