アーユルヴェーダと心理学

 

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水泉動(すいせんうごく) — 凍てつく地表の下で、春の準備を始める

皆さま、こんにちは。山田いずみです。

暦の上では1月11日頃、七十二候の「水泉動(すいせんうごく)」を迎えます。「しみず あたたかきを ふくむ」とも読み、凍っていた泉の底で、水が微かに動き出す頃を指しています。

一年で最も日が短い冬至(12月21日頃)を過ぎ、太陽のエネルギーは少しずつ、しかし確実に回復へと向かっています。放射熱の関係で、私たちの体感温度が最も低くなるのはこれから迎える「大寒」の頃ですが、大地の奥深くでは、太陽の熱を受け止めて春への準備が着々と進んでいるのです。

季節を「先読み」する知恵

目に見える世界はまだ冬枯れで、寒さの本番の中にあります。しかし、大自然の深部では、すでに氷解が始まっている。 この「季節の先読み」こそが、七十二候の持つ情緒であり、私たちが自然と調和して生きるための大切なヒントになります。

アーユルヴェーダの古典においても、自然界の移ろいと人間の心身の変化は、常に密接にリンクしていると説かれています。この時期は、冬の間に蓄積された「カパ(重さや冷たさのエネルギー)」が、春の訪れとともに動き出す予兆を感じる時期。外側の静寂を楽しみながらも、内側の巡りを整え始める。そんな繊細なバランスが求められる季節です。

寒しじみで、内側から慈しむ

こんな風に自然の微細な変化に目を向けて過ごすと、生きていることの豊かさ、そして万物を生かす大きな力への感謝の気持ちが自然と湧いてきます。

食の養生としては、今が旬の「寒しじみ」を取り入れてみるのはいかがでしょうか。 寒さによって身が締まり、栄養を蓄えたしじみは、年末年始を駆け抜けて少し疲れが残る肝臓を、優しく癒やしてくれます。温かいしじみ汁をいただきながら、自らの内側にある「春の胎動」に耳を澄ませる時間は、何よりのセルフケアになるはずです。

凛として、春を待つ

地表がまだ凍てついていても、水底では確かな動きが始まっています。 私たちもまた、周囲の環境がどうあろうとも、自分自身の内なるエネルギーが動き出すその時を、静かに、そして凛として待ちたいものです。

寒さはこれからが本番ですが、皆さまの心には、清らかな泉が融け出すような温かな希望が満ちていますように。

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「自らの存在価値を再定義し、人生をより高めていく一助となりますように」