生きている以上、イライラやモヤモヤがおこるのは自然なことです。今日はその原因のストレスを特定してみる方法について、書いていきます。
体と心は一体
私たちの体と心は一体であって、心を抜きにして健康を考えることは不可能です。その心に大きな影響を与えているのがストレスです。私たちは常に自分の外にある環境や人間と係わっていて、それを情報として、感覚器官で受け取って、それに対して、私たちの思考は即座に反応しています。
「嫌だ」、「うまくいっていない」、「自分にとって不利だ」、「つまらない」というような否定的な考えが働くと、怒りや不安、あせりなどの不快な感情がわきます。その結果、交感神経が優位に働き、心臓、肺、からだの様々な部分が緊張状態になる一方、食物の消化や睡眠といった、体をメンテする大切な働きが低下してしまいます。
私たちの体と心は一体であるというのは、こういうことなのです。
もし、皆さんが病気をなった、体の調子が大きく崩れたということがあったとしたら、その直前には、必ず、大きなストレスがかかっていたと思います。食生活が原因だといわれる方がいるかもしれませんが、その間違った食生活を止められないのは、背後にストレスがあるからなのです。
外的なストレスと内的なストレス
好ましくない状況をもたらした情報をストレッサーといいます。このストレッサーは、外的なものと内的なものに分かれます。
①外的ストレッサー
物理的ストレス:自然環境、寒暖変化、騒音、高低音による刺激など
社会的ストレス:社会環境、経済情勢の変化、人間関係など
②内的ストレッサー
心理的・情緒的ストレス:緊張、不安、悩み、あせり、淋しさ、怒り、憎しみなどの感情
生理的・身体的ストレス:疲労、不眠、健康障害などの生理的状況
自分のストレスを特定してみる
外的ストレスと内的ストレスは、もちろん相互に影響し合っていることもあります。それでもストレスをこのように分類してみると、何が自分の心にとって好ましくない状況をもたらしているのか、客観的に観察することができます。
新型コロナウイルスは、外的な物理的なストレスとして、全世界中の人々を疲弊させました。この物理的なストレスによって、生活パターンが変化した、仕事が中断したといった社会的なストレスに苦しんでいる方も多いと思います。家族との時間が長くなり、それが、プラスに働く家庭もあれば、大きなストレスになっている家庭もあるかと思います。
このような外的ストレッサーが原因で、多くの人が不安をかかえて、緊張状態が続いて、疲労、不眠、健康障害などの内的ストレスも生じています。内的ストレッサーと外的ストレッサーが複雑にからみあっていうことです。
ストレッサーをこんな風に分類して考えてみると、今まで気が付かなかったことが自分のストレスになっていると気が付くことがあります。健康になるためには、このストレスをできるだけ軽減していくことが大切です。
今、何かイライラしたり、モヤモヤしたりしていたら、少し時間をとって、思い通りになっていないと思うことを書き出してみてください。少し、気分がすっきりすると思います。